「両家墓」にする為に竿の加工と追加彫り、新しく墓誌を設置。愛知県瀬戸市光国寺霊園。
ホームページをご覧いただきましてありがとうございます。岐阜県恵那市のお墓専門店、加藤石材の5代目加藤椋です。愛知県瀬戸市の光國寺様霊園にて、一つのお墓に二つの家族が入る「両家墓」にするための各種加工や既存の墓誌の移設、その他細かな修繕等をお任せいただきました。
愛知県瀬戸市光國寺霊園 正面文字の彫直し 墓誌移設 花立、香炉の修理
当社がある恵那市明智町と愛知県瀬戸市に両方お墓をお持ちの方にお墓を一つにまとめたいとご相談いただきました。
まずは瀬戸市のお墓の確認をするため現地に向かいます。
お客様の墓地は瀬戸市の光國寺様の霊園内にありました。駐車場も広くよく整備された霊園のようです。
お墓は霊園内の道に沿って少し入ったところにあります。
今回ご相談いただいたお墓です。こちらはお客様の奥様の実家のお墓で、お墓の正面には苗字が刻まれている先祖代々のお墓です。
今回はこちらに両家のお墓をまとめるため、苗字が違っても入れるようなお墓となるように竿を一度取り外し、正面文字を彫り直します。
竿の裏側になります。昭和55年建立と刻まれています。建てられてから44年経過しています。
竿の右側です。奥様のお父様が彫刻してあり、正面文字の彫り直しに合わせてこちらに奥様のお母さまを追加彫刻します。
お墓正面の小物類です、44年前の建立ということもあり花立には金具はついておらず、空いている穴に直接お花等を挿すつくりでした。また、香立の金具が経年劣化によって取れてしまっていました。これらの修理もできることをお客様にお伝えしたところ、花立を落とし込み金具タイプへの変更と香立の新品交換をご依頼いただきました。
ところ変わって、恵那市明智町内のお客様の実家のお墓です。こちらのお墓は片付けて瀬戸市のお墓にまとめます。しかし、まとめる先のお墓には墓誌がついておらず、これから入られる方やお客様のご両親の戒名等が入れられないので墓誌を新しく作る必要がありますが、今回は明智町のお墓の墓誌がどなたも刻まれておらず再利用できそうでしたので、この墓誌と移設先のお墓の両方に合わせたゲタを作ります。
工事が始まりました、まずは明智町のお墓を解体して、墓誌は工場に持ち帰り、今回新たに入られる方の彫刻をします。また今回は墓地の管理者の方とお話しし、必要が生じた場合は舞台も片付ける合意のもと、上物だけ解体・撤去します。
瀬戸市のお墓です。竿は加工、追加彫刻の為、小物類は修理・彫刻の為に外して持ち帰ります。
竿の加工の様子です。自社工場にて家名の刻まれていた正面を切り落として磨き直します。
加工が終了したらいよいよ据え付けです。竿の接着には耐震ボンドを使い固定します。
墓誌ゲタはお墓に向かって左側に据え付けます。明智町内のお墓に比べて、墓地内のスペースが限られているので、縦向き且つ、お墓の芝台にかけるような形で設置します。
工事が完了しました!
竿の正面の文字を彫り直しました。今回のお客様の宗派が浄土真宗の方だったので、「南無阿弥陀仏」と彫らせていただきました。
竿の右側にはお客様の奥様のお母さまを追加で彫刻しました。すでに彫られている方に配置や字体をそろえられるように工夫しました。
新しく設置した墓誌ゲタと移設してきた墓誌にはお客様のご先祖様やご両親の戒名等を追加彫刻して納めました。ゲタは墓地内の狭いスペースにしっかりと収まるように、現地にて正確に採寸して製作しました。
小物類は白ペンキを入れなおし、両家が入るにあたって花立の正面にそれぞれの家名を彫刻しました。また、香立や花立の金具もステンレス製の新しいものに交換して、いままで出来なかった水の入れ替えや香立の金具は脱着式のものにしたので、線香の灰のお掃除等もやりやすくなり、管理維持の負担も軽減されました。
今回は当社に施工をご依頼いただきありがとうございました。今回のお客様のように二つの先祖代々のお墓をひとつまとめたいというケースは特殊な事情ではありますが決して珍しいことではありません。例えば一人っ子が結婚等で実家を離れ、一方の家は途絶えるが、嫁入り、婿入りした家のお墓に途絶えた家のご先祖様を一緒に供養するといったことが必要になることがあり、それが今回のケースですが、注意点もあります。今回のような寺院墓地ではご先祖様の宗派が移設先の宗派と違ったりしたとき納骨を受け入れていただけないことも稀にあります。今回はお客様の誠実な対応もあり、寺院様には快く受け入れていただきました。この場を借りて感謝いたします。また、お客様からは「(当社の所在地から)遠方にもかかわらず仕事を引き受けてくれてありがとう。見積書や図面が丁寧で分かりやすかったよ」と、大変ありがたい言葉を頂きました。お墓はそれぞれの家の事情等があり全員が同じような対応を取ればいいわけではありません。個々の事情に寄り添った案内ができるようにこれからも精進する次第です。このたびは、お墓のご相談を当社にいただきましてありがとうございました。